ペルソナ・ノン・グラータ 目次 概要 発動事例 俗用 脚注 関連項目 外部リンク 案内メニュー衆議院議員鈴木宗男君提出外務省在外職員の飲酒対人交通事故などに関する質問に対する答弁書マレーシア、北大使の国外退去を検討オリジナル外交関係に関するウィーン条約領事関係に関するウィーン条約“日本大使を「好ましくない人物」に=シリア”“日本の防衛官が国外退去 中国の禁止区域立ち入り”オリジナル“シリア、日本大使の受け入れ拒否 報復措置か”オリジナルロシア外交官35人追放 オバマ氏、大統領選干渉に対抗マレーシア政府、北朝鮮大使を退去処分 正男氏事件巡り【金正男氏殺害】北朝鮮が対抗措置、マレーシアの駐北朝鮮大使を追放措置“クウェート、イラン外交官らを追放 テロ未遂事件への報復?”オリジナルメキシコ:北朝鮮大使を追放 72時間以内、核実験に抗議ペルー 核実験抗議、北朝鮮大使を追放へ メキシコに続き英、ロシア外交官23人追放=暗殺未遂で報復、安保理会合開催へオリジナルロシア、英外交官23人追放=元情報員暗殺未遂、報復の応酬オリジナル“エクアドル政府、ベネズエラ大使を国外追放”“ベネズエラ、ドイツ大使を国外追放 野党支持に反発”'Kiss and Tell' Officer Draws Heaps of Scorn - NYTimes.comペルソナ・ノン・グラータとはペルソナ・ノン・グラータとはこの項目を加筆・訂正
外交ラテン語の成句
ラテン語外交外交官外交関係に関するウィーン条約領事関係に関するウィーン条約外交官派遣国信任状信任状奉呈式アグレマン仏外交特権日本英語村八分
ペルソナ・ノン・グラータ
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ペルソナ・ノン・グラータ(ラテン語: Persona non grata)とは、接受国からの要求に基づき、その国に駐在する外交使節団から離任する義務を負った外交官を指す外交用語。原義は「厭わしい人物」「好ましからざる人物」を意味する[1]。外交関係に関するウィーン条約や領事関係に関するウィーン条約で規定される。国外退去処分と表現されることもある[2]。
目次
1 概要
2 発動事例
2.1 日本
2.2 その他
3 俗用
4 脚注
5 関連項目
6 外部リンク
概要
外交団員の一員となるには、外交官になる必要があり、外交官になるには派遣国の任命に加え、接受国でも、国元から預かって来た信任状を信任状奉呈式で提出して認めてもらわねばならない。外交使節の長は、外交関係に関するウィーン条約第4条により、接受国から「アグレマン」(仏: agrément)として受け入れの承認が必要となる[3]。アグレマンの拒否により、外交使節の長を拒むことができる。
接受国が、外交官の受け入れ拒否や外交官待遇の同意の取り消しを行うことが、「ペルソナ・ノン・グラータ」であり、外交関係に関するウィーン条約第9条及び領事関係に関するウィーン条約第23条に規定されている[3][4]。
ペルソナ・ノン・グラータはいつ何時でも一方的に発動でき、またその理由を提示する義務はない[3]。接受国はいずれかの者がその領域に到着する前においても、対象外交官がペルソナ・ノン・グラータであることを明らかにすることができる[3]。ペルソナ・ノン・グラータの通告を受けた場合には、派遣国は状況に応じて対象者の「本国へ召還又は外交官任務終了」をしなければならない。
対象の外交官に対し、接受国外務省から駐在公館を通じて、「あなたは我が国に駐在する外交官に相応しくないので本国へお帰り下さい。もしくは外交官任務を終了して下さい」と正式に通告することで発動されることが多い。派遣国が「ペルソナ・ノン・グラータ」の発動後に対象外交官の「本国へ召還又は外交官任務終了」の履行義務を拒否した場合又は相当な期間内に行わなかった場合には、接受国は対象者がもはや外交特権を持たないものとみなし、触法行為があれば一般市民として身柄の拘束ができる。
「ペルソナ・ノン・グラータ」は、接受国が有する拒否手段であり、これ以外の手段(強制送還、身柄拘束)を用いて外交官の非行を制裁することはできない。
発動事例
日本
日本での発動事例として以下のものがある(発動前に自ら国外に退去した者は不記載。なお、日本においては発動した際の多くは発動前に当人は日本から出国している)。
1973年 - 大韓民国(韓国)の1等書記官・金東雲こと金炳賛。金大中事件に関与した疑いで、警視庁が出頭を求めたが拒否されたため。
2006年3月 - 駐日本国コートジボワール大使館の男性外交官。自身が所有する南麻布のビルの一室を暴力団に貸与し、見返りとして計約4000万円を受け取っていたため。その部屋はバカラ賭博に利用されており、2005年10月に摘発されていた[5]。
2006年4月 - インド大使館の警備担当男性技能員。大使館にビザ申請に訪れた、日本人女性に対する強制猥褻容疑[6]。
2012年6月 - シリアのムハンマド・アル・ハバシュ駐日特命全権大使。鈴木敏郎在シリア日本特命全権大使がシリア政府から指定を受けたことへの対抗措置[7]。
また、日本が発動を受けた例は以下の通り。
1937年 - 杉原千畝。反革命なロシア人との交流を理由にソ連より。やむなくリトアニアに赴任した。
1983年1月 - 中川一郎衆議院議員。1983年1月に内閣総理大臣の名代として訪米が内定したが、アメリカ政府から入国拒否を通告された。表向きには反共主義を唱えながらも、裏では親ソ政権の樹立を画策していたと、CIAの調査で判断されていたからとされる[8]。
1987年8月 - 駐ソ連防衛駐在官。接受国における不適切活動のため(スパイ行為)。
2002年11月 - 駐中華人民共和国(中国)防衛駐在官。接受国における不適切活動のため(スパイ行為)[9]。
2012年6月 - 鈴木敏郎駐シリア特命全権大使。日本国政府が、シリア内戦におけるシリア軍による市民虐殺に抗議し、5月30日にムハンマド・アル・ハバシュ駐日大使に国外退去を求めていたことへの対抗措置[10]。
その他
ジョージ・ケナン - 駐ソ連大使だったが、ドイツでソ連とナチス・ドイツの類似性を指摘する発言をしたことから、再入国を拒否された。
クルト・ヴァルトハイム - オーストリア大統領。元ナチ将校であったため、アメリカ合衆国など多くの国家から、元首または外交官待遇拒否を受けていた。- ロシア外交官35人 - 2016年、アメリカ大統領選挙にロシアが干渉を行ったとして、任期末期のバラク・オバマ政権が大量国外追放を行った[11]。
姜哲(カン・チョル) - 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)駐マレーシア大使。金正男殺害事件に関連し、マレーシア行政府および警察の対応を批判したため[12]。
モハマド・ニザン・モハマド - マレーシア駐北朝鮮大使。前述の姜哲を追放したことに関連し、北朝鮮側が事実上の報復措置として実施(発表時点で既に本国へ召還済)[13]。- イラン外交官15人 - 2017年7月、クウェートはテロ未遂容疑犯がイランへ逃亡したことを理由に大使館員の大量追放を行った[14]。
金炯吉(キム・ヒョンギル) - 北朝鮮駐メキシコ合衆国大使。国際社会の反対を無視して北朝鮮がミサイル発射や核実験を行ったことなどを理由に、72時間以内に国外追放することを発表[15]。
金学哲(キム・ハクチョル) - 北朝鮮駐ペルー大使。上記メキシコ大使と同様の理由で、5日以内に国外追放することを発表[16]。- ロシア外交官23人 - 2018年3月、イギリス国内で発生した元ロシアのスパイ、セルゲイ・スクリパリとその娘に対して行われたノビチョクを使った暗殺未遂事件に関連し、イギリス政府が報復措置として実施[17]。
- イギリス外交官23人 - 前述のイギリスによる外交官追放に対し、ロシア政府が報復措置として実施[18]。
- 2018年10月18日、エクアドル政府がベネズエラ大使を指定して国外追放[19]
ダニエル・クライナー - ドイツ駐ベネズエラ大使。2019年3月5日に暫定大統領を宣言した野党指導者フアン・グアイドの帰国を空港で出迎えたため、2019年3月16日にベネズエラを実効支配するニコラス・マドゥロが「野党の過激主義者と共謀した」としてベネズエラからクライナーを追放すると宣言[20][21]。
俗用
英語では、職場の部署で村八分に遭った職員を指す用法もある[22]。
脚注
^ 日本政府(内閣総理大臣 小泉純一郎) (2005年11月1日). “衆議院議員鈴木宗男君提出外務省在外職員の飲酒対人交通事故などに関する質問に対する答弁書”. 2016年7月12日閲覧。
^ ロイター (2017年2月23日). “マレーシア、北大使の国外退去を検討”. YOMIURI ONLINE. 2017年2月24日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年2月23日閲覧。- ^ abcd外交関係に関するウィーン条約
^ 領事関係に関するウィーン条約
^ “コートジボワール大使館員、バカラ賭博場所貸し4000万円 すでに帰国”. 朝日新聞: p. 15. (2006年4月5日)
^ “強制わいせつ:容疑でインド大使館員に逮捕状--警視庁”. 毎日新聞: p. 30. (2006年4月28日)
^ “日本大使を「好ましくない人物」に=シリア”. 時事通信. (2012年6月6日). http://jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012060600678
^ 加藤昭『鈴木宗男研究』(pp. 24–26)
^ “日本の防衛官が国外退去 中国の禁止区域立ち入り”. 共同通信社. 47NEWS. (2002年11月14日). オリジナルの2015年7月17日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150717123419/http://www.47news.jp/CN/200211/CN2002111401000220.html 2015年7月17日閲覧。
^ “シリア、日本大使の受け入れ拒否 報復措置か”. 朝日新聞. (2012年6月6日). オリジナルの2012年6月6日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120606175829/http://www.asahi.com/politics/update/0606/TKY201206060531.html 2012年6月6日閲覧。
^ ロシア外交官35人追放 オバマ氏、大統領選干渉に対抗 - 日本経済新聞(2016年12月30日)2017年5月23日閲覧
^ マレーシア政府、北朝鮮大使を退去処分 正男氏事件巡り - 朝日新聞デジタル 2017年3月5日
^ 【金正男氏殺害】北朝鮮が対抗措置、マレーシアの駐北朝鮮大使を追放措置 - 産経ニュース 2017年3月6日
^ “クウェート、イラン外交官らを追放 テロ未遂事件への報復?”. 東京新聞. (2017年7月21日). オリジナルの2017年7月24日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170724222103/http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201707/CK2017072102000125.html 2017年7月21日閲覧。
^ メキシコ:北朝鮮大使を追放 72時間以内、核実験に抗議 - 毎日新聞 2017年9月8日
^ ペルー 核実験抗議、北朝鮮大使を追放へ メキシコに続き - 毎日新聞 2017年9月12日
^ “英、ロシア外交官23人追放=暗殺未遂で報復、安保理会合開催へ”. 時事ドットコム (2018年3月14日). 2018年3月18日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2018年3月17日閲覧。
^ “ロシア、英外交官23人追放=元情報員暗殺未遂、報復の応酬”. 時事ドットコム (2018年3月17日). 2018年3月18日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2018年3月17日閲覧。
^ “エクアドル政府、ベネズエラ大使を国外追放”. 日本経済新聞. (2018年10月19日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36673770Z11C18A0000000/ 2019年5月7日閲覧。
^ “ベネズエラ、ドイツ大使を国外追放 野党支持に反発”. 日本経済新聞. (2019年3月7日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42131950X00C19A3000000/ 2019年3月7日閲覧。
^ “ベネズエラ、独大使に国外退去を要請 米政府は圧力強める”. ロイター. (2019年3月7日)
^ 'Kiss and Tell' Officer Draws Heaps of Scorn - NYTimes.com (1994年10月5日)
関連項目
- 外務省
- 特命全権大使
- 外交特権
外部リンク
ペルソナ・ノン・グラータとは - コトバンク
ペルソナ・ノン・グラータとは - 航空軍事用語 Weblio辞書
カテゴリ:
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